事例ナビ 更新情報 『 事例ナビコラムニスト募集中 』

事例ナビ - JIREI navi 事例ナビ - JIREI navi

ホーム > 視点 > リスト > 導入事例を読むワザ・作るワザ
キーワード検索
 もっと詳しく >>
ホットキーワード  :  ERP CRM 内部統制 アクセス解析 ワークフロー クラウド/ASP
第6回:導入事例に顧客の顔写真が載っている理由は?
導入事例を読むワザ・作るワザ
導入事例を読むワザ・作るワザ(第6回)

導入事例に顧客の顔写真が載っている理由は?

顧客の顔写真を載せるだけで、導入事例の信頼感と親近感が2倍になる。

導入事例がメインのカタログ(チラシ)や広告では、顧客の企業の人の顔写真が載っている。製品やサービスの導入を担当した方や、実際に利用している方が取材に応じてくれて、その際に撮影したものが使われていることが多い。A4サイズ1ページ以上の文章量があり、具体的な会社名が載っているなら、経験的には8割ほどのには顔写真が載っている。

導入事例を読む読者は、顔写真が載っていることで次のように感じる。

(1)この導入事例は、真実の内容が語られている (架空のでっち上げ事例ではない)
(2)この顧客は、製品と営業やサポートに満足している

読者が意識しているかどうかは別にして、顔写真があることで人間は心理的な影響を受ける。広告に人物を登場させることで、次のような効果があることが以前から知られている。

(3)この人は、この商品を推奨しているように感じられる
 (身近な人や、顔を見たことのある人を登場させるほど有効)
(4)この人の言うことなら信用してもよさそうに感じられる
 (未知の人でも、肩書きや顔つきで、そのように感じさせられる)
(5)興味はないテーマでも目を留める人が多い

筆者の経験では、顔写真の有無だけで引き合いが2倍の差になることがある。これが理由で、導入事例を作る立場にいる人が顧客の顔写真を入れないで済ますという選択肢はないに等しい。

顧客の顔写真を入れるためにかかるコストは、プロのカメラマンを伴って近県の顧客を訪問して撮影したとして3〜5万円程度のものだ。多少はデジカメ撮影の腕があるライターや営業担当者なら、自分で撮影すれば追加コストはゼロ円で済ますこともできる。予算が理由で顔写真が載せられないということはない。

それではなぜ、顧客の顔写真が載っていない導入事例が存在するのだろうか?

理由を考えてみよう。非常に先進的な機器やシステムを最初に導入した場合、競合他社に知られるまでの時間稼ぎをしたいと考える企業がある。防犯やITセキュリティに関係する製品の場合、安全確保の観点でマル秘扱いにする企業がある。これらは、やむを得ない理由と言えよう。

実際に多いのは、なんらかの問題がある場合である。それほど成功した事例だと顧客は考えていないので、「自慢できない」「推奨する印象を与えたくない」という理由で顔写真を拒まれることがある。顧客が製品やサポートに不満を抱いていて、顔出しをお願いできないということもある。悪質なベンダーだと、架空の事例の捏造だからということもある。

顧客の顔出しの代わりに、ベンダー側の導入責任者(SEや営業、あるいは代理店担当者)の顔写真を載せる方法がある。「私が導入の際に奮闘しました」と報告するスタイルだ。導入した会社名が出ているのにこのスタイルなら、「導入事例として公開するのはOK。ただし担当者が出るのはNG」になったのである。

顧客の顔出しのない導入事例は不自然なものだ。その製品の導入を検討しているのなら、どのような事情があるのかに注意を払った方がいい。

顧客ともベンダーとも関係のない人の顔写真が載っていることもある。タレントの起用である。その分野の有識者や、写真映えする女性タレントを使う広告が多い。製品を採用するメリットを論理的に示すのではなく、興味を持っていない人の目も引いて、とにかく印象に残す作戦だ。

これは、もはや導入事例の紹介ではないが、別の価値がある。典型的な導入事例を読むのはニーズを意識した段階の人だが、タレントの顔写真にすれば潜在ニーズの段階の読者を得られるかもしれない。経営層などの決裁権や予算を握っている人が読んで興味を示してくれるかもしれない。

需要を作り出すということなのだ。資本力がある大手ベンダーでなければできないことだが、多くの顧客を開拓しなければ大手であることを維持することができない大手ならではの苦肉の策と言うこともできる。

どのやり方で導入事例を紹介するかはベンダーの自由だが、この連載コラムを読んでいる、真剣に導入事例を活用したいと考えている「本気の」人に最初にお勧めするのは、顧客の顔写真の載った直球勝負のものだ。読み手となる導入担当者にとっては、顧客の顔写真入りのものほど具体的な情報を得られる。作り手となる製品ベンダーにとっては、最もコストパフォーマンスのよい営業ツールになる。顧客とベンダーの両者にとって、コミュニケーション効率が最もよいのがこれなのだ。
(続く)

著:須藤慎一(すどう・しんいち)
IT事業プランナー/ライター
技術系の商品や技術そのものを“解き明かす”仕事が中心。マーケターとして商品コンセプトを磨き販促ツールを取りそろえ、ライターとして文字で表現することが多い。

はてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに追加 Googleブックマークに追加 del.icio.usに追加 livedoorブックマークに追加
※各種アイコンをクリックすると、このページをブックマークできます。
第16回:導入事例を作ったら、どう営業に使えばいいのか?

第15回:導入事例に熱狂的なファンのお話は無用

第14回:サイトだからできる、顧客投稿型の導入事例というのもある

第13回:“消えた導入事例”のナゾを追え!

第12回:「推奨広告」と導入事例は、ココが違う

第11回:「取材依頼状」のやり取りで、正式な依頼を形に残す

第10回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第9回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第8回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第7回:導入事例に欠かせない4ポイント・7項目に注目しよう

第6回:導入事例に顧客の顔写真が載っている理由は?

第5回:導入事例を探す熱意を持てば、よい製品選択ができる

第4回:導入事例カタログは、商品を雄弁に語る“顔”である

第3回:導入事例カタログを読むポイントはここ

第2回:導入事例カタログが“信用できる”ように思える理由

第1回:導入事例は、購入側・販売側の両方から喜ばれる

ログイン (読者会員、情報提供者)
ID     
パスワード 
読者会員登録はこちら
新規情報提供者登録はこちら
パスワードを忘れた方はこちらから
その他お問い合わせはこちらから
注目ソリューション
セキュリティの強化とITコスト削減に効く!「三種の神器ソリューション」(RSAセキュリティ)
IBMミドルウェアとIBMビジネスパートナーが提供する業務改革ソリューション(日本IBM)
ヒューレット・パッカードの再生製品プログラム「HP Renew Program」(日本HP)
特集
Webマーケティング特集
内部統制特集
システム連携事例特集
クローズアップ
受注登録システムと販売管理システムの間を ワークフローでつなぎシームレスに連携。 ペーパーレス化の推進と内部統制を実現。

Ruby とDB2 の組み合わせで短期間でシステムを再構築。XML データの活用でパフォーマンスと柔軟性の両立を実現。

「『お客様本位のファイナンス事業』を実現するために、業務のKAIZEN(改善)を続けています。今回FiBridgeIIを導入して、帳票まわりの業務をKAIZENしました」

ウィキを活用し 企業内の“N対Nの情報共有”を加速する「Atlassian Confluence」

AvantGard Quantum導入で決算作業を10日から1日に短縮 〜オペレーションコストを大幅に削減した多国籍食品企業

現行の勤務管理システムでは、対応できないアクセスログを取得し、抜けのない内部統制基盤を構築。

視点

Master Data Management

上級編第1回[第5の業務になるマスターデータマネージメント]

導入事例を読むワザ・作るワザ

第16回:導入事例を作ったら、どう営業に使えばいいのか?

事例ナビの眼

第1回:「いつも最新テクノロジーが必要とは限らない。低価格で地球にも優しい「再生製品」という選択。」

成長企業のための基幹業務システム

第1回:企業の成長基盤としての労務コンプライアンス

海外事例にみる企業のWiki活用

第2回:GPC Biotech社(ドイツ)

経営とITを結ぶアーキテクチャ

第7回:財務リソースの管理とITの結びつき

Twitter公式ナビゲーター twinavi
▲Twitter公式ナビゲーター twinavi