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第3回:導入事例カタログを読むポイントはここ
導入事例を読むワザ・作るワザ
導入事例を読むワザ・作るワザ(第3回)

導入事例カタログを読むポイントはここ

一般に、導入事例カタログは法人向け商品の販売では必須のアイテムとされている。しかし、個人が買う商品でも、住宅のように高額な買い物や、介護付有料老人ホームのように、決断によってはその後の人生が大きく変わる商品になると、セールスの場では導入事例カタログが多用されている。「トラブルなく」がポイントになる購買では、導入事例を気にする人がぐっと増える。それが自然な心理=警戒感なのである。

それでは、導入事例のカタログや広告を“読む”際に注目するポイントを考えてみよう。最も多くの人が重要と答えるのが具体性である。自分の想定している用途や規模と一致した導入事例が見つかれば、情報としての価値に加えて安心感が高まる。

たとえばサーバ上で動作する業務ソフトだったとすれば、サーバの機種やネットワーク機器の構成、メモリやディスクの容量などの必要量を見積る参考になる。運用やバックアップなどのために、同時に利用している機器やソフトウェアの情報が得られることもある。購入を検討している商品と連携して動作する機器やソフトウェアなどの情報まで一気に得られることがある。

カタログには書いていないような情報が得られることも多い。雑誌の取材記事なら、機能の問題点や、トラブルの頻度や対応についての情報が得られるかもしれない。悪い面だけではなく、よい面の情報を読み取ることもできる。たとえば、機器の故障率やサーバの停止率の場合、販売側が「実際に計測している故障率は○%です」と言うと、一種の保証になってしまう。こういうデータを言うことを禁止している会社がある。契約書などで取り決めたSLA(サービスレベルアグリーメント)は、技術面から見たギリギリの数字ではなく、営業上で問題の起こらない程度に余裕をみた数字に留めることが多い。

そこで、「実際にはもっとトラブル発生率は低い」ことを示すために、顧客の声としてトラブル発生率の数字を導入事例に載せていることがある。こうした数字の情報を注意深く拾っていくと参考になる。検討から導入に要した期間、設置から本格運用までの期間、旧システムから導入したシステムへの移行手順と並行稼働させた期間なども参考になる数字の情報だ。

数字以外では、導入時や導入後に利用した無料/有料の技術資料やSEサポートの状況、導入期にありがちなFAQの相談窓口などの情報にも注目したい。導入後のサポートの必要性や、いざ必要になったときに提供される水準などは、買うまでは得られない情報なので貴重だ。

販売側の人は、導入事例を制作する際には、検討時の顧客が欲しがる情報は何かをきちんと理解しておいた方がよい。顧客側の心理を理解しておけば、導入事例カタログに盛り込むことが望ましい情報がわかってくるものだ。(続く)

著:須藤慎一(すどう・しんいち)
IT事業プランナー/ライター
技術系の商品や技術そのものを“解き明かす”仕事が中心。マーケターとして商品コンセプトを磨き販促ツールを取りそろえ、ライターとして文字で表現することが多い。

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第11回:「取材依頼状」のやり取りで、正式な依頼を形に残す

第10回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第9回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第8回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第7回:導入事例に欠かせない4ポイント・7項目に注目しよう

第6回:導入事例に顧客の顔写真が載っている理由は?

第5回:導入事例を探す熱意を持てば、よい製品選択ができる

第4回:導入事例カタログは、商品を雄弁に語る“顔”である

第3回:導入事例カタログを読むポイントはここ

第2回:導入事例カタログが“信用できる”ように思える理由

第1回:導入事例は、購入側・販売側の両方から喜ばれる

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