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第15回:導入事例に熱狂的なファンのお話は無用
導入事例を読むワザ・作るワザ
導入事例を読むワザ・作るワザ(第15回)

導入事例に熱狂的なファンのお話は無用

導入事例で紹介する顧客は、標準的で一般的な顧客の方がよい。熱狂的なファンの事例を作っても商品は売れない。

導入事例の作成のために法人の顧客にインタビューすると、「多少だが他より優れていたので採用した」、「数年ごとに買い替える商品なので、次回はまた各社を比較して選ぶ」という反応が返ってくるのが普通だ。「すごくいいので永久に使い続けます!」とか「買い替えるときは絶対に後継機種にする!」という顧客はめったにいない。

もちろん、その商品を採用して満足している顧客なわけだが、商品の選択とは「その程度のものだよ」とクールな反応が返ってくることの方が圧倒的に多い。導入事例の取材慣れしていないインタビューアだと、しがらみで嫌々インタビューに応じたのかと疑うことがある。購入後に商品の熱狂的なファンになったかのように、顧客の反応を誇張した記事を書いてしまう者もいる。

事実をねじ曲げることは大問題だが、そもそも顧客がファンになったという内容の導入事例の記事を作っても販売効果は上がらない。以下の2点を、顧客はよく知っているからである。

,修硫饉劼篝宿覆稜心なファンだから商品を購入したわけではない。購入後にその会社や製品の熱心なファンになるわけでもない(ファンになる率は低い)。商品の選択とファンになることは別次元のことと考えている。
候補の商品を比較すると、機能やサービス内容、価格などがわりと狭い範囲で競争しており、時期や商品の世代によって順位は常に変動する。

こうした顧客の意識を知っていれば、導入事例で紹介すべき内容や文章のトーンがわかってくる。煽り立てるような感情的な表現で商品を推奨しても効果が薄かったり、場合によっては見込み客を白けさせてしまう。商品間の差異を示したり、自社商品の優位性を数字などを使って客観的、冷静に伝える方が効果が上がる。

「この商品がよかった」という顧客の声の書き方も、見込み客が読みたくなる内容に変えた方がよい。採用した商品を誉めるだけの内容には見込み客はなびかない。比較した商品間で、どの商品がどのように違ったか(採用品がどのようによかったか)を紹介する方がアピール度が高い。他社名を出せないことが多いが、それでも比較した際の情報は価値がある。

新製品が出るといつも買い替えてくれる上得意客の場合、そうした事実を導入事例で紹介しても見込み客には響かない。「比較検討せずに購入する会社」とか、「経営上の判断で特定メーカーと付き合うことに決めている会社」だと読者が読み取れば、かえって導入事例としての価値を下げてしまう。その会社の導入事例を取り上げる理由が、付き合いが長いので取材をお願いしやすいというものだとしたら、導入事例としての価値がそもそも低かった可能性すらある。

なお、これまでの話は法人が購入する商品の場合である。個人が選択する趣味性の高い商品の場合には、マニアックな顧客を取り上げるほど商品価値が高まることがある。高額なクルマ、住宅、高級オーディオ、時計や万年筆あたりが典型だ。

IT分野であれば、キーボードやマウスなどに一家言ある人がいる。しかしメーカーの側が高級化ニーズに追い付いていないので、語るに足る商品が登場していない。これはこれで問題である。

最後に、導入事例を読む立場の人にもアドバイスだ。「この導入事例はピンとこないな」と思ったら、その直感を信じて大丈夫だ。ピンとこなかった理由はわからないだろうが、謎解きをすると今号の記事で説明したような誤った作り方が原因という可能性がある。その商品が劣るとは言い切れないので、別の導入事例を探してみよう。
(続く)

著:須藤慎一(すどう・しんいち)
IT事業プランナー/ライター
技術系の商品や技術そのものを“解き明かす”仕事が中心。マーケターとして商品コンセプトを磨き販促ツールを取りそろえ、ライターとして文字で表現することが多い。

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第16回:導入事例を作ったら、どう営業に使えばいいのか?

第15回:導入事例に熱狂的なファンのお話は無用

第14回:サイトだからできる、顧客投稿型の導入事例というのもある

第13回:“消えた導入事例”のナゾを追え!

第12回:「推奨広告」と導入事例は、ココが違う

第11回:「取材依頼状」のやり取りで、正式な依頼を形に残す

第10回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第9回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第8回:はじめての導入事例カタログやWebページの作成

第7回:導入事例に欠かせない4ポイント・7項目に注目しよう

第6回:導入事例に顧客の顔写真が載っている理由は?

第5回:導入事例を探す熱意を持てば、よい製品選択ができる

第4回:導入事例カタログは、商品を雄弁に語る“顔”である

第3回:導入事例カタログを読むポイントはここ

第2回:導入事例カタログが“信用できる”ように思える理由

第1回:導入事例は、購入側・販売側の両方から喜ばれる

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