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第14回:サイトだからできる、顧客投稿型の導入事例というのもある
導入事例を読むワザ・作るワザ
導入事例を読むワザ・作るワザ(第14回)

サイトだからできる、顧客投稿型の導入事例というのもある

これまでの連載では、紙とサイト兼用の導入事例カタログや記事を、1回の取材で作る方法を紹介してきた。しかしウェブを使うのなら、紙とは違う導入事例、1回の取材では作れない導入事例というものがある。今回はその話をしよう。

ITや事務機器・産業機器などの分野では、「導入事例」と呼べば、製品を採用した顧客の導入に至る検討の状況、採用したことで改善した生産性や使い勝手について紹介する資料のことである。こんなことは言わなくても理解してもらえる人が多い。

業界が違うと、導入事例と言っても通じないが、同じ目的の販促物を別の名前で呼んでいることがある。建築業界だと、個人向け・法人向けのいずれでも、「顧客紹介」とか「作品事例」などと呼んでいる。顧客紹介の場合は建築主と建物の両方を取り上げるので、導入事例と同じ作り方である。

作品事例では、写真に載るのは建築物だけということが多いが、本文中で「建て主は、リタイア後の自由な時間を有意義に過ごそうと考えた50歳代後半の夫婦」とか、面積や予算などを紹介する建築仕様欄に、「発注者:30代のIT企業経営者の夫、30代のフルタイム勤務の妻、3歳の子供」といったプロフィールが書いてあることが多い。人物像が明らかになることで、いっそうイメージがふくらむからである。

医療や資産運用、会員制リゾートなど、より個人的なサービスでは「お客様の声」と呼ぶことが多い。介護付き有料老人ホームだと、「ご入居者様の声」+「ご家族様の声」になっている。いずれの場合も、顧客や家族などの当事者の顔写真とプロフィール、購入した製品/サービスの概要、競合品との比較などが書いてある。

モノを売るビジネスでない場合、「導入」という言葉がそぐわない。コンシューマ向けの商品だと「お客様紹介」と呼ぶ方がわかりやすい。とは言っても、目的も内容も導入事例と同じである。それらの分野でも、これまでの連載で紹介してきた作り方が使える。導入事例を制作するビジネスを考えるなら、意外と市場は広いということだ。

さらに先を考えるならば、現在の導入事例(や別名の同じ販促物)のやり方を超えた導入事例というものもあり得ると筆者は考えている。2パターンの例を紹介しよう。1つ目はオフィス複合機である。カラーコピー、スキャナ、ファクス、プリンタなどの機能が一体化している製品だ。

オフィス複合機は、大企業から中小企業、事務系業務からデザイン業務まで、顧客の規模と用途が多様である。顧客は、自社の規模や用途に最適な機器がほしいが、現状では、カタログに載っている印刷速度や設置スペースなどから判断しないといけない。自社と同じような環境の導入事例を見つけるのは難しい。

規模と用途が広すぎて、売り手側が販促物として多様なパターンの導入事例を用意することができない。価格比較や使い勝手などを述べるサイトはあるが、それはよく言えば定性的な情報や感想なので、企業としてはもっと定量的、論理的に評価できる情報がほしい。現在のままだと、情報の需給ギャップを解消できていない。

それならば、自社の規模や用途を示し、他者の投稿データと比較できるような基準を作ったうえで、効率性、利便性、コストを顧客が発表する仕組みを盛り込んだ導入事例の投稿サイトを作ればよいのではないだろうか? 自動車の燃費投稿サイトがあるが、他の分野に広げ、他の評価項目にも広げる感じだ。“実燃費”(消耗品の消費量)が気になるオフィス複合機、家庭用インクジェットプリンタなどからだと始めやすそうだ。

2つ目の例は、個人が買う最高額の買い物である住宅を対象にした導入事例サイトである。ハウスメーカのものでも建築家のものでもよい。住宅は、設計から施工、住み始めた直後の印象が重要であると同時に、春夏秋冬をすべて繰り返すまでの2年間程度の感じ方の推移も重要になる。長いスパンで顧客の情報を取り続ける(顧客が発表し続ける)ことで、ようやく導入事例が完結する。いっときの取材で原稿を作る方式の導入事例では、このような目的の深い情報を集めるのは(コスト的に)難しい。したがって、投稿型の導入事例サイトの方が向いている。

住宅の場合でも、感想などの定性的な情報に加えて、数字をもとにした客観的な情報を示す仕組みを導入する必要がある。たとえばエコ性能について語るのなら、毎月の電気、ガス、灯油などの消費量を記録する機能を追加して、消費量の絶対値と推移をもとに、顧客や建築会社がうんちくを語るようにすべきだ。天候や日照に影響されるだろうから、天気や気温などは、気象会社から全国のデータをサイトが購入して掲載すればいいだろう。自動車の購入から日常メンテを発表できるサイトでは、ガソリン給油量や“車計簿”を記録できるものがある。これを他の商品分野、他の評価項目にも広げる感じだ。

安いことは重要だが、最安値にこだわらない商品にもそれなりの理由があるはずだ。そうした商品のよさをわれわれ消費者・購入者が知るためには、導入事例が重要なのだ。価格比較サイトの対極には、導入事例サイトがあり得るのではないかと筆者は考えている。
(続く)

著:須藤慎一(すどう・しんいち)
IT事業プランナー/ライター
技術系の商品や技術そのものを“解き明かす”仕事が中心。マーケターとして商品コンセプトを磨き販促ツールを取りそろえ、ライターとして文字で表現することが多い。

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