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第7回:財務リソースの管理とITの結びつき
経営とITを結ぶアーキテクチャ - 小山仁(神戸情報大学院大学教授) -

前回は、ビジネスプロセス・モデルについてAPQCのPCF(Process Classification Framework)を参照して業務プロセスを分析しました。結果は、財務リソースをマネージする活動や作業が非常に多いことが確認できました。同時に、財務リソースの管理はITによる会計システムを頼りにしており、「情報技術(IT)の管理」が「財務の資源リソース管理」と同じように多くの活動と作業を必要としていることも分かりました。企業の現業といわれる主幹業務分野は、既に多くの場面で業務処理がIT化されており、製造、販売、物流を担当する業務プロセスで情報システムを有効活用して、サプライチェーンのワークフローのための情報共有を活用する企業が多くなっています。

事業レイアーである主幹業務プロセスでは、サプライチェーンの効率化や在庫の最適化に向いた市販のアプリケーションソフトウェア・パッケージ(ERPパッケージなど)が完備されており、これらのパッケージを有効活用することにより、ITによる業務処理統制などに関して標準化された手続きで運用されていると考えます。また、アプリケーションソフトウェア開発のプロセスやIT業務処理のシステム開発や運用に関するIT全般統制は、自社でソフトウェアを開発することが少なくなっていることから、業務ソフトウェアのソリューションを構築するシステムインテグレータ(SIer)など情報システム開発委託先のIT全般統制が自社の延長として要請されると考えられます。しかし、これらは、各企業が長年培った業務処理コンピュータ化の経験から既に整備されている分野であといえます。ここでは、新たにJ-SOX法で求められるリスクマネジメントを含めた内部統制報告書への対応と外部監査に耐えうるように経営マネジメントシステムや経営活動モニタリングシステムを改善し充実することが求められているといえます。

財務リソースの管理に関して、ITはどのようにかかわっているでしょうか。また、企業の永続性を確保するための活動や行動に関して、業務プロセスの観点ではどのようにITとかかわっているのでしょうか。この財務リソースの部分は、ITにかかわる開発プロセスや運用プロセスのように計画したら実行する、実行したら評価して改善点を明確にし、業務プロセスを改善していくというPDCAだけではうまく回りません。例えば、企業会計の仕組は図1のように財務会計システムと管理会計システムに分かれており、それぞれの期待する役割が違います。財務会計は経営レイアーの範疇であり、主に企業外部の利害関係者に財務状況を報告し、利害の調整を目的としたプロセスといえるため、求められる課題は過去1年間の利益の配分であり、会計原則や関連法規に従って正確性と適法性を持った貨幣価値情報を扱います。管理会計は事業レイアーの範疇であり、企業の内部の利害関係者が意思決定と業績管理を行うことを目的にしたプロセスであるため、業務の現状把握や将来予測など経営管理や業績管理の基準に基づいた有効性と迅速性を必要とする貨幣価値情報および非貨幣価値情報を扱います。

図1 企業会計のフレームワーク
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第7回:財務リソースの管理とITの結びつき

第6回:経営の目的とビジネスアーキテクチャ

第5回:企業の永続性

第4回:ITアーキテクチャーとITガバナンス

第3回:経営レイアーにおける情報システムのあり方

第2回:経営レイヤーの活動システム

第1回:ITを考える前に、まずビジネスアーキテクチャをかためる

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第2回:GPC Biotech社(ドイツ)

経営とITを結ぶアーキテクチャ

第7回:財務リソースの管理とITの結びつき

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