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第2回:経営レイヤーの活動システム
経営とITを結ぶアーキテクチャ - 小山仁(神戸情報大学院大学教授) -

第2回:経営レイヤーの活動システム

ビジネスアーキテクチャは経営、事業、業務を結ぶ情報のインターフェース

前回は、ビジネスを遂行するには、「経営」「事業」「業務」の3つのレイアーがあることを解説しました。この3つのレイアーの相互関係と、上位のクラスであるビジネスアーキテクチャの関係は、UMLで図1のように各階層の活動目的を持った活動システムとして捉え、活動基準を集約したメタモデルとして表記することができます。またビジネスアーキテクチャは活動にかかわる情報基準を通してITアーキテクチャに関係します。

図1 経営、事業、業務の相互依存関係

今回は、3つのレイアーの中で、「経営レイアー」について考察していきます。経営レイアーのミッションは、企業の「Going Concern」、つまり企業の永続性に関する責任を持つことです。大きく分けて、次の4つの概念があります。

(1)社員の安心と安全を心がけて社員に幸福をもたらす
(2) 資金提供者(株主や債権者)に利益配分する
(3) 市場と社会への貢献と法令準拠を徹底する
(4) 会社が継続するための将来の事業資金を確保する

この経営の4つのミッションを遂行するためには、経営レイアーの活動として各々の概念を実現するための戦略策定と、戦略目標を貨幣換算した達成基準に変換し、決算期ごとにどの程度の収益と利益を達成すべきか、という事業計画に展開しなければなりません。

また、事業計画は、事業レイアーの活動システムの明確化とその結果として計画される業務遂行への資源再配分と収益獲得のため、業務レイアーの活動システムの経営資源消費と成果(収益)の量を数値目標に変換することになります。この上で、事業の永続性のためには、経営リスクのマネジメントが求められているといえます。つまり、ビジネスレイアー全体は企業ガバナンスの基におかれているといえます。

4つの経営ミッションは、事業や業務の活動システムで消費される経営資源をいかに有効活用し、各活動システムに参画する人材の行為により経営にインパクトを与えるリスクの回避のために企業コンプライアンス(法令準拠)を求めることになります。また、企業コンプライアンスを含めて、企業が健全な経営を遂行している有様を信頼性高く情報開示することを2002年7月に制定された米国のSOX法では内部統制の報告書として求めています。日本ではこのSOX法をもとに企業改革法(JSOX法)が検討されています。SOX法の基本的な枠組みは、米国のCOSO(COSO:the Committee of Sponsoring Organization of the Treadway Commission)フレームワークを基本にしています。

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第7回:財務リソースの管理とITの結びつき

第6回:経営の目的とビジネスアーキテクチャ

第5回:企業の永続性

第4回:ITアーキテクチャーとITガバナンス

第3回:経営レイアーにおける情報システムのあり方

第2回:経営レイヤーの活動システム

第1回:ITを考える前に、まずビジネスアーキテクチャをかためる

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